ネタバレありの映画鑑賞記録です。ネタバレの嫌いな方はご注意下さい。
映画が中心ですが、一部演劇、ミュージカルもあります。

イタリア的恋愛マニュアル
イタリア的恋愛マニュアル
(C)2005 Filmauro S.r.l


■監督・脚本 ジョヴァンニ・ヴェロネージ
■キャスト  シルヴィオ・ムッチーノ、マルゲリータ・ブイ、ルチャーナ・リッティツェット、カルロ・ヴェルドーネ
■上映時間  118分


  公式HP:イタリア的、恋愛マニュアル(Manuale d’amore)(音がでます)




#ストーリー(公式HPより)


世代も立場も違う4組のカップルが、どこかで絶妙に絡み合う。地球上でもっとも恋愛に熟知しているはずの彼らが、一所懸命相手に立ち向かい、悩み、愛を獲得していく。
イタリア人も私たちと変わらない、いやもっと純粋に愛と格闘しているのです。

<トンマーゾ&ジュリア>
仕事もなく彼女もいない運に見放されたトンマーゾが、偶然出会ったジュリアに一目惚れし、猛烈アタック!捨て身の求愛は実るのか?
<バルバラ&マルコ>
倦怠期を迎え、すでに情熱の失せたバルバラとマルコの夫婦。妻のバルバラは2人の関係に焦りを感じ、ある日、羽目をはずして酔いつぶれてしまう。
<オルネッラ&ガブリエーレ>
婦人警官のオルネッラは、優しく真面目だと思っていた夫の浮気現場を目撃し、腹いせに交通違反の取締りに猛烈に精を出す。ある夜、同じマンションに住む憧れのニュースキャスターと一夜をともにするが…。
<ゴッフレード&リヴィア>
妻に逃げられた小児科医ゴッフレードは、まじめで気が小さい自分を変えようとするがうまくいかず、妻と復縁できそうにもない。自暴自棄になり、海辺で一晩明かした彼に新たな出会いが!?





1人の女性がCD本の「恋愛マニュアル」のナレーションを録音している場面から始まり、
  『第一章:めぐり逢って』・・・若い男女(トンマーゾ&ジュリア)の出会い
  『第二章:すれ違って』・・・・・倦怠期の夫婦(バルバラ&マルコ)
  『第三章:よそ見して』・・・・・浮気の発覚で大騒動になる夫婦(オルネッラ&ガブリエーレ)
  『第四章:棄てられて』・・・・・妻に見捨てられた男の苦悩(ゴッフレード&リヴィア)
と4つの章からならる「恋愛マニュアル」が展開される。
良くあるオムニバス映画の様に4つのストーリーが行ったり来たりするのではなく、前の章の最後に次の章の登場人物が出てきて人間関係は絡み合っているけど、ストーリーはそれぞれ独立した作りになっていて、解り易い。

「恋は盲目」という言葉があるけど、恋故に周りが見えなくなり、そのうち相手すらも見えなくなり、そして自分も見えなくなって、不器用な人間関係に悩む。
そんな姿が上手く描かれていて、人間の不器用さに思わず笑ってしまいながらも2人のハッピーエンドになる事を願う、そんな映画だった。
恋に積極的だといわれるイタリア人だって、恋に悩むし、結婚生活の維持に悩む。
そして、幸運は何処にあるのか解らないけど腐らず前向きに過ごす事で幸運を掴むことができる。
そんな当たり前の事を静かなトーンで淡々と表現したいい映画だった。
上品なドルチェのような良い後味の映画だと思う。


以下ネタバレあり。

失業中で何をやっても上手く行かないトンマーゾ(シルヴィオ・ムッチーノ)が偶然出逢ったジュリア(ジャスミン・トリンカ)に一目惚れ。
こんなキレイな子ならトンマーゾじゃなくても一目惚れするね(笑)
彼女を家の前で待ち伏せたり、携帯の電話番号を教えてもらうために仕事先へ追いかけたりとストーカーまがいの姿に呆れながらも、元彼とのデートの帰りに「元彼と会うなんて前進できない女性だ」と言われてトンマーゾをちょっと見直したジュリアは結局デートの約束をする。
翌日の初デートは食事をする事になって失業中のトンマーゾはお金がないので、お姉さんのレストランに案内する。
あれ?このお姉さん、見たことある と思ったら、冒頭に出てきたナレーションをしていた女性だった。
トンマーゾは彼女がお姉さんだとジュリアに知られたくなかったのだけど、あっさりバレてしまって、逆に何故ウソを付くのかとジュリアに責められる始末。
ホント、“トンマ”ってイタリア語でも“トンマ”という?と思えるほどのトンマと言うか間抜けぶり(笑)
それでも子供好きな“素”を見せてジュリアに惚れられるんだよね。
飾っちゃダメって事だね(笑)
で、ダメな時をなにをやっても上手く行かなかったけど、ジュリアと付き合い始めて本屋に就職も出来て人生が良い方向に回り始めたらしい。


そんな2人の新婚旅行先に旅行に来ていたのが倦怠期夫婦のバルバラ(マルゲリータ・ブイ)とマルコ(セルジョ・ルビーニ)。
倦怠期って結婚何年後ぐらいから始まるのかな?
この2人は年配の熟年夫婦に見えたのだけど、「子供を作る」なんて言っているし、友人達も子供が小さかったり赤ちゃんだったり。
本当は結婚して数年しかたっていない30代夫婦だったのかな?
それにしても友人夫婦の「出産時のビデオを他人に見せる」のは良い趣味だとは思えないな。

それにしても×2。
人に恋するのも1瞬なら、人を“嫌”と思うのも1瞬なのか?
勿論、“嫌”と思うまでに色々な積み重ねがあるのだろうけど、気が付いて“もう許せない”と思うのはホンの些細な事がきっかけだったりするんだろうね。
それでも2人は関係の修復を試みる。
でも、なかなか上手くいかないんだよね。。。
友人のパーティにも1人で出かける羽目になってしまうバルバラがちょっと可哀想だっり。
私も彼氏とは必ずしも趣味が合わないから、それぞれ1人で出かける事が多い。
一緒に出かけられたら楽しいとは思うものの、彼氏にとって楽しいと思えない事に引っ張り出すのも可哀想な気がするから我慢するけど(^_^;

パーティで日頃の鬱憤が噴出したのか、バルバラはお酒を飲みすぎてマルコに迎えにきてもらう。
その帰りに公園で今後について語り合う2人。
バルバラは修復を、マルコは別離を考えていたのに、マルコの車が駐車違反でレッカー移動されようとしている。
婦警のオルネッラ(ルチャーナ・リッティツェット)に泣きついて何とかレッカー移動だけは免れた。
バルバラとマルコは、オルネッラには仲の良い夫婦に見え、オルネッラの相棒の警官には不仲に見えたらしい。
さてこの2人はどうなるんでしょうね?


「イタリア人の夫の85%、妻の60%も浮気をする」とは言え、オルネッラは優しい夫ガブリエーレ(ディーノ・アッブレーシャ)に満足していた。
まぁ、同じアパートに住むニュース・キャスターに密かな憧れを持ってはいたけどね(笑)
ディーノ・アッブレーシャって、乱一世に似ている。
その顔を見るだけで、私は何故だか笑えた。
って、乱一世が笑える顔をしているというのではなく、日本人とイタリア人でもこんなに似ている人が居る事が可笑しく思えただけ。

で、この乱一世、じゃなくてガブリエーレがこんなにお人よしな風なのに、子供の幼稚園の先生と浮気。
浮気の現場を目撃したオルネッラは怒り心頭で家を出て行ってしまうだけでなく、鬱憤の捌け口を交通違反の摘発に向ける。
鬱憤を仕事で昇華するのはいい事だけど、オルネッラの場合は行き過ぎて職権乱用(笑)
小児科医のゴッフレード(カルロ・ヴェルドーネ)の検挙は伝説にすらなったらしいものね。
でも、ゴッフレードの駐車違反は許せなくても、例のニュース・キャスターの交通違反は許せるらしい。
元々が職権乱用に近い仕事振りなのだから、憧れの人なら多少の手加減があっても当たり前か(笑)

オルネッラはニュース・キャスターをアパートに送っていって、ついでに1夜を過ごてしまうけど、これでいっぺんに熱が冷めちゃった。
そりゃそうだ。
幾ら憧れていても、イヤ憧れているからこそ、実生活の“趣味が悪い”現実を知ってしまうと冷めるのは早い。
翌朝、階下のガブリエーレの元に戻って、メデタシメデタシ。


オルネッラとの喧嘩が訴訟騒ぎになってしまったゴッフレードは、調停中に弁護士から妻のマルゲリータに逃げられた事を公表されてしまう。
ガブリエーレと元の鞘に納まったオルネッラはゴッフレードに同情して訴訟を取り下げる。

此処からがクライマックス?
ゴッフレードは、最初に出てきたトンマーゾのお店で「恋愛マニュアル」を買って、マニュアルに従うも何をやっても(さらに)上手く行かない。
夜中にマルゲリータに電話して「amore(愛している)」を繰り返すも、それは全く他人の家。
看護婦に誘惑されるも、その晩にフライト中のハズの夫が帰って来てしまい、高層マンションの窓の外で1晩を過ごす羽目になる。
妻の実家に会いに行くも、義母に娘(=妻)の事は諦めるように言い含められる。
自棄になったのか、帰りに海によってスーツのまま海に入る。
一瞬自殺?とも思ったけど、そうではなかったらしい。
暫く海に漂って岸にあがって捨てられたボートの陰で寝ていると、翌朝幼い女の子に「お尋ね者?」と起こされる。

でも、人生悪いことばかりじゃないよね。
ここで新しい出会いがあるんだものね。
女の子に連れられて入ったのが、トンマーゾのお姉さんのリヴィア(アニタ・カブリオーリ)のレストラン。
彼女はリストランテと言っていたけど、そのお店はゴッフレードが言った「バール」の方が近い。
ゴッフレードがこのレストランで何時間過ごしたのか判らないけど、リヴィアがいつの間にか身の上話をしている。
ゴッフレードは、あんなに聞いていた「恋愛マニュアル」のナレーションの声がリヴィアだと気が付いたのかしら?
いずれにしても、恋が始まった予感。。。


イタリア映画って余り観ないから、俳優さんを殆どしらない。
それでも、ジャスミン・トリンカやルチャーナ・リッティツェットは魅力的。
アニタ・カブリオーリも美しい。
こんなに魅力的な女性がたくさんいるんじゃ、イタリアの男性は恋が多くなるね(笑)



イタリア的、恋愛マニュアル@映画生活
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    オーシャンズ12
    今週も水曜日は映画の日(笑)
    今日は、「オーシャンズ12」。

    「もう2度とありえない豪華キャストで、あの“オーシャンズ”が帰ってくる!」
    「舞台はアメリカを飛び出して一気に世界へ。」
    「前作で大金を強奪され、復讐を誓うベガスの大ボス。さらにユーロポール(欧州警察機構)が総力を挙げ、オーシャンズ逮捕に向けて動き出す。」
    なんて大きな宣伝文句に釣られて見に行ったのだけど、正直。。。(ーー;)


    前作(オーシャンズ11)でダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)達に大金を奪われたラス・ベガスのカジノのオーナー ベネディクト(アンディ・ガルシア)が復讐に乗り出した。
    2週間以内に盗んだ1億6,000万ドルに利子をつけて返済しなければ、命はないと。
    ダニーたちは返済のお金を調達(盗む)為にヨーロッパへ飛ぶが、彼らの計画はフランスの大泥棒ナイト・フォックス(ヴァンサン・カッセル)に邪魔される。
    ナイト・フォックス(ヴァンサン・カッセル)は「世界一の泥棒」をかけてオーシャンズに勝負を持ちかける。
    さらに、ユーロポールの上級捜査官イザベル(キャサリン・セ=ジョーンズ)も追跡を始めていた。

    出演者は超が付くほどの豪華メンバー
     ・リーダーのダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)★
     ・詐欺師ラスティー・ライアン(ブラッド・ピット)★
     ・スリで“プロ見習い”のライナス・コールドウェル(マット・デイモン)★
     ・ベネディクトの元恋人でオーシャンとも2度結婚しているテス・オーシャン(ジュリア・ロバーツ)
     ・ユーロポールの凄腕捜査官イザベル・ラヒリ(キャサリン・セ=ジョーンズ)
     ・ベガスのカジノ王テリー・ベネディクト(アンディ・ガルシア)
     ・爆薬エキスパートで放送禁止用語歌手(? 笑)のシャー・ター(ドン・チードル)★
     ・マニュキュア好きで金庫破りのフランク・カットン(バーニー・マック)★
     ・セキュリティのプロで面白くないコメディアンのリビングストン・デル(エディー・ジェイミソン)★
     ・双子のカーマニア バージル・マロイ(ケイシー・アフレック)★
     ・バージルの双子で輸送のエキスパート、ターク・マロイ(スコット・カーン)★
     ・中国系の軽業師イエン(シャォポー・クィン)★
     ・投資家ルーベン・ティシュコフ(エリオット・クールド)★
     ・大泥棒ナイト・フォックスを名乗るフランソワ・テュリュアー(ヴァンサン・カッセル)
     ・引退した天才詐欺師のソール・ブルーム(カール・ライナー)★
    (★はオーシャンズ11)

    1人で主役をはるスター俳優たちが集まると、こんなにつまらなくなる。
    丸で、4番バッターばかり集めて“野球”にならない巨人軍のようだ(ーー;)

    以下ネタばれあり

    前作を踏襲しているつもりだかなのか、4番バッターを見せたいだけなのか、人物紹介に時間がかかりすぎ。
    全然掴みになっていない。
    これでかなり間延びしてしまった。
    ベネディクトがオーシャンズのメンバーを尋ねて脅して歩くのもなんだかヘン。
    あぁ。これもアンディ・ガルシアを“見せる”為のシーンなのね(苦笑)

    アムスで家(といっても半端な大きさじゃない)を持ち上げるあたりは、漫画チックで面白かったけど。。。
    何故、わざわざNYからアムスへ行って、その家を狙わなければならなかったかの動機が不明。
    単に、ラスティとイザベルを逢わせたかっただけの挿話。

    そして、パリからローマへ。
    途中、不自然なシーンが2つ。
    これは後で説明があるけど、なんか唐突で不自然。

    ローマでのナイト・フォックスとの果し合い。
    盗みに入る前に、盗む目的の物をイザベラに簡単に悟られるシーンもご都合主義的。
    それに、「世界一」を競う盗賊団のはずなのに、盗みに入る前に簡単にイザベラに逮捕されてしまう。
    なんだかなぁ。。。
    って、これはストリー的には、テスを引っ張り出すための必然なのだけど、設定が設定だけに。。。(^^;

    で、最後の種明かし。
    ってさぁ。。。あれ反則だよね。。。(苦笑)
    これがミステリーならそうなる必然がどこかになければならないのだけど、それもない。
    前半の不自然なシーンが伏線といわれてもなぁ。。。
    一応、二転三転を目指しているんだろうけど、なんとなくとってつけた感が否めない。

    ん?
    もしかして、ライナスのお母さんが12人目?(笑)


    「アメリカから世界に飛び出す」といっても、コモ湖以外は殆ど景色なんて堪能できない。
    何処の街でロケをしても同じでは?と思わせる。
    最後、イザベラがお父さんと再会するシーンはシシリーよね。
    なんとなく、ゴッド・ファーザーをイメージしているのかな?


    1000円でも勿体ない映画だった。
    強いて1000円の価値を探すとしたら、次の3点かなぁ。
    先ず、セダ=ジョーンズ。
    「シカゴ」の時より良くなっている気がする。
    でも、こんな役じゃもったいないな。
    次に、ジュリア・ロバーツの妊婦姿。
    この映画の撮影中に双子を妊娠していたらしいけど、“妊娠したジュリア・ロバーツ”に化けた時の腰周りの肉の付き方とか、立ち方が“いかにも妊婦”だった(笑)

    そして、一番はブルース・ウィルス。
    カメオ出演って言ってたけど、ブルース・ウィルスがカメオなら、上で書いた出演者の上から5人以外はみんなカメオだよ(笑)
    彼が出て、少し映画がピリっとしたかな。
    彼はいいスパイスだったね。


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      オペラ座の怪人
      水曜日は映画の日。
      今週もやはり映画を観て来た。
      今日は、「オペラ座の怪人」。

      最も有名なミュージカル「オペラ座の怪人」を完全映画化したと言われるもの。
      豪華絢爛で音楽も美しく、ミュージカルの映画化としても最も成功した例といえるんじゃないだろうか。
      それにしてもすごい人気。
      まだ公開されて1週間も経っていないのに、パンフレットもサントラCD(限定版)も売り切れ。。。


      1919年のパリ。
      今や廃墟と化したオペラ座で、かつての栄華を偲ぶ品々がオークションにかけられていた。
      そこには、老紳士ラウル・シャニュイ子爵(パトリック・ウィルソン)と年老いたバレエ教師、マダム・ジリー(ミランダ・リチャードソン)の姿。
      やがて、謎の惨劇に関わったとされるシャンデリアが紹介され、ベールが取り払われると、ふたりは悲劇の幕開けとなった1870年代当時へと一気に引き戻される。

      当時オペラ座では謎の怪人の仕業とされる奇怪な事件が続いていた。
      そんな怪事件が元で役を降板したプリマドンナのカルロッタ(ミニー・ドライヴァー)の代役を務めたのが亡き父が授けてくれた“音楽の天使”の指導で歌の才能を伸ばしてきたバレエダンサーのクリスティーヌ(エミー・ロッサム)だった。
      初舞台は成功し、喝采を浴びた彼女は幼馴染みのラウルと再会する。
      再会を喜び合うも束の間、彼女は仮面をかぶった謎の怪人・ファントム(ジェラルド・バトラー)にオペラ座の地下深くへと連れ去られてしまう
      クリスティーヌは、ファントムを亡き父親が授けてくれた“音楽の天使”だと信じてきたが、地下の隠れ家で仮面をはぎ、その正体を知ってしまう。


      以下ネタバレあり。

      1919年、オペラ座だけでなく、町全体が廃墟のよう。
      それもそのはず、1919年といえば、パリ講和条約締結の年。
      ヨーロッパが戦場となった第1次世界大戦が終わったばかりだものね。
      なんて思いながら見始めた。。。

      オークションにかけられるシャンデリアのベールが取り除かれ、天井に上っていきながら舞台が一気に1870年代に変わる。
      戦後の荒廃をイメージさせるモノクロームから、豪華絢爛、明るく華やかな世界に変わる場面には、ゾクゾクさせられた。
      いや、ワクワク感というのかな。
      勿論、パイプオルガンが奏でるあの音楽の効果もあるのだけどね。


      オペラ座の怪人は1987年にロンドンのハー・マジェスティ劇場(Her Majesty's Theatre)で見た。
      ロンドンでも1986年に初めて上演されたミュージカルだけど、私がロンドンに旅行した時には既に日本でも劇団四季が上演していた。
      当時既にかなりの評判だったから、“これは是非本場で見なければ”と思ったのよね(笑)

      映画はそのミュージカルの完全映画化といわれていた。
      でも、何となくストーリーが違うように感じたのよね。。。

      1番の違いはシャンデリアが落ちるシュチエーション。
      ミュージカルでは、確か、"イルムート"で主役の伯爵夫人を演じたクリスティーヌに向かって(実際は観客席に向かってくるように感じる)落としたはず。
      それが、映画では、“ドン・ファン”の最中、クリスティーヌをさらっていく場面でシャンデリアを落とすのよね。
      その結果、オペラ座が火事になる。
      冒頭のオペラ座の荒廃はその火事の所以かと思わせられた。。。(^^;

      また、ミュージカルでは、ファントムのクリスティーヌに対する愛は“純愛”に思えた。
      コレは、私の英語の理解力不足によるのかもしれない。。。
      でも、源氏が若紫を育てるような、父の愛と男の愛が混じっていて、クリスティーヌとラウルの恋にジェラシーは感じるものの、より大きな愛があったように感じていた。
      もっとも、クリスティーヌにプライドを傷つけられたファントムはクリスティーヌに“復讐”をするのだけどね。。。
      映画のファントムの愛は、クリスティーヌ自身が言うように捩れている。
      クリスティーヌがファントムの人格を否定するような事を言ったのは、オペラ座が火事になった後。さらわれた後だ。
      だからファントムがオペラ座に火をつけたのは、プライドを傷つけられたからではなく、ラウルにクリスティーヌを奪われるのが嫌だというジェラシーからの行動と言う事になる。
      なんだかストーカー的で納得がいかないなぁ。。。

      で、最後。
      クリスティーヌが、ファントムに対して「ずっと惹かれていた」と唐突に言うのもヘンだし、“貴方は人格が歪んでいる”と言った時、「貴方の望みは歪んだ肉欲」と言ったのもなんだか唐突。
      さらわれたクリスティーヌを追ってきたラウルが、ファントムに殺されそうになった時に「私を裏切らないでくれ」言うのもおかしい。
      ミュージカルでは、クリスティーヌに対する男性2人の“純愛”を感じたのに、これでは純愛とは言えない。。。
      と思ったら、公式HPのBBSでも話題になっていて、これは誤訳らしい。
      「ずっと惹かれていた」は「貴方は孤独ではない」で、「私を裏切らないでくれ」は「私の事は考えなくていいから、(クリスティーヌが生き延びる為に)彼を愛すると言ってくれ」だったらしい。
      それなら納得。
      多分、「貴方の望みは歪んだ肉欲」も「飢えた悪魔の餌食」だったんだよね。。。
      このシーンって、3人が互いに言い合っていて、英語のセリフが聞き取りにくくて、つい字幕に頼っちゃったのよね。。。(^^;
      でも、本来の意味とは真逆の意訳はダメでしょう(笑)

      他に突っ込みどころとしては、クリスティーヌが舞台で口をぽかーんと開けている所と、雪の日の夜に胸元を大きく開けた服でお父さんの墓所に向かう所かな。
      寒さに強い私でも、雪の夜にあんな格好じゃ外に出ません(笑)
      あとは、冒頭のオークションのシーンで6tもあるシャンデリアをたった1人で持ち上げるのはあり得ないと言う所かな(笑)
      映画で使われたものは2tだったらしいけど、2tだとしても1人じゃ持ち上がらないよ。。。(笑)
      そうそう、冒頭のオークションのシーンでは、1870年代に10代後半の娘(メグ)を持つ母親だったマダム・ジリーとラウルの年齢と老化の度合いが。。。?
      公式HPを見るまで、あの女性は娘のメグだと思っていたのよね。。。
      なんで、ラウルよりマダム・ジリーの方が若いのだろう?
      16、7の娘を持つ母親なら40歳前後だと思うのだけど、1870年代に40歳だとして、40年後は80歳近いよね。。。
      あの女性はどう見ても60代にしか見えないのだけど。。。


      全体に辛口の批評になってしまったけど、映画そのものは面白かったと思っている。
      辛口になったのは思い入れが強かったから。
      冒頭のシーンは舞台ではああはいかない。
      オペラ座の舞台を色々な角度から見せるシーンや、役者の表情をアップ見るのも映画ならでは。
      そういった映画ならではの手法は充分楽しんだし満足している。

      無垢な美しさを持つクリスティーヌにエミー・ロッサムは適役だったと思うし、7歳の時にオペラの舞台に立ったというその歌唱力もさすがだ。
      ファントムのジェラルド・バトラーは歌はちょっとだったけど、声はイイ。
      目をつぶってあの声を聞いても彼に惚れてしまうかも(^^)
      そういう意味では、ラウルがちょっと物足りなかった?
      単独ではいい役者だと思うけど、今回は2人のキャラクターに負けていたかも。
      あぁ。。。最後まで辛口になっちゃった。。。(^^;

      口直しに、好きなシーン(笑)
      湖の様な地下水路をファントムとクリスティーヌが舟にのって渡るシーン(此処はミュージカルでも一番好きだった)と“マスカレード”、そして最後のお墓にあるバラ。
      ラウルは、オークションでサルのオルゴールを落とした時にファントムのクリスティーヌに対する愛情に思いを馳せたのだと思う。
      懐かしさと共に、同じ女性を愛した相手に“同士”の様な感情を持ったのだと思う。
      そして、クリスティーヌのお墓にバラの花が供えてあったのを見て、彼の愛が未だ続いているのを感じて嬉しく思ったんじゃないかな。。。
      って、実はメグ(もしかして、マダム・ジリー?)が供えたんじゃないかと思ったのは内緒♪


      ##おまけ  2003年にオペラ座で撮ったもの。
      当時のオペラ座の外観
      当時のオペラ座の外観

      シャンデリア(当時の天井画は当然シャガールではないですが。。。)
      シャンデリア

      エントランスの階段
      エントランスの階段


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        運命の女
        「運命の女」見てきた(^^)
        リチャード・ギア、カッコイイなぁ♪

        事前に、リチャード・ギアが初めて脇役をした映画って聞いていたのだけど、
        う〜ん、脇役なのかなぁ。。。
        前半はコニー(ダイアン・レイン)とポール(オリビエ・マルチネス)の恋愛というか、不倫話だけど、後半はコニーの浮気を知ったエドワード(リチャード・ギア)の苦悩の話だったような。。。
        でも、どっちも描き方が甘い感じで、あまり面白いものではなかったな。

        まぁ、私はリチャード・ギアの顔を見ているだけで満足だし、オリビエ・マルチネスもいい男だったから、それだけでいいんだけどね(笑)
        オリビエ・マルチネスは、コニーが一目惚れするのも解る様な、官能的な男性。
        自分の周りを見ても、そんな素敵な男性は居ないものな。。。
        もっとも、私もダイアン・レインには程遠いけどね(笑)


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